地域の事業者間連携・コラボレーションを成功させる秘訣

こんにちは。兵庫県の北部新温泉町で中小企業診断士として活動しております「うみかぜコンサルティング」の谷岡のり子と申します。普段は自社の宿の経営・Webサイト制作・支援先企業の運営・集客のサポートをしております。

小さな事業者が協力し合い、高付加価値化+販路開拓

新温泉町は人口13,000人弱の小さな田舎町です。
過疎地はどこでも同じような課題を抱えていると思いますが、私たちの町でも人口減少、高齢化による地域経済の縮小、後継者不足といった地域活力の課題を抱えています。

新温泉町の事業者は従業員5名以下の小規模事業者や規模の小さい中小企業が多いです。
そういった中小企業・小規模事業者はヒト・モノ・カネ・情報といったリソースが小さく、大企業のような豊富なリソースで広告キャンペーンを打ちだしたり、商品生産に大量に人材を投入したりといった大規模な事業展開ができません。

そこで、小さな事業者同士が協力し合い、共同商品の開発やコラボ企画といった「事業者間連携」を行うことで新たな付加価値を得たり、販路開拓につながります。

事業者連携の第一歩は信頼獲得

例えばあなたがお店を新規開業するとして、チラシを近隣のお店や事業所に置いてもらったり、HP・SNSで紹介してほしいと考えたとします。

チラシを置く程度であれば、ご近所さんであれば快く受け入れてくださるかもしれません。

HPやSNSで他社を紹介となるとその事業者の方針や経営者の判断が必要だったり、SNS更新も手間がかかりますからハードルが高くなりそうです。

そこで、他の事業者に協力してほしいあなたがやるべきことは「まず自分から相手の事業者に役立つことをすること」です。

自分の要求を満たす前に、まずは相手のニーズ(困っていること)を叶えベネフィットを与えることです。

そうすることで周囲の事業者はあなたを信頼し、あなたのビジネスのために協力するハードルがぐんと下がります。

これはある意味で返報性の原理を利用したものですが、大事なのは最初から見返りを求めてやらないことです。あくまで善意、GIVERの精神で見返りはないかもしれないけれど、それを恐れずどんどんGIVEすることです。

見返りを期待してしまうと、見返りがなかったときにガッカリしてしまいますし、相手の事業者は見返りを提供する義務はそもそもありません。

ビジネスの基本は数を打つことです。全部が全部目論み通りにはいきません。
10やって2、3返ってくる。そのくらいの大らかな気持ちでいた方がいいと思います。

見返りを求めず徹底的に相手のことを考える姿勢を見せ信頼を獲得することではじめて、ビジネス上のWin-Winの関係が築けます。

先手を打って相手にベネフィットを与える

  • まずは自分から相手のビジネスの紹介をSNSで投稿する
  • 相手の商品サービスを買ってみる
  • 自分の友人知人に相手の事業者の商品を紹介する
  • 相手の商品サービスと自社の商品サービスを組み合わせた使い方を提案する(コラボレーションの提案)

このようなGIVEをすることで、自然と信頼感が高まり、協力してくれる事業者が集まってきます。
「相手の商品サービスと自社の商品サービスを組み合わせた使い方」というのは、例えば「カレーと福神漬け」のようなセット販売の提案でもいいですし、旅行者向けの「お昼のランチは飲食店で、夜は宿泊施設で」といった過ごし方の点案でもいいと思います。

コラボレーションを情報発信する

コラボレーションが実行できたら、その事業者連携の過程・経緯やコラボ商品サービスの目的や魅力を自社サイトのブログやSNSで発信していきましょう。プレスリリースを出してもいいと思います。

地域の連携・地域活性化の話題は新聞などのマスメディアで取り上げられやすいネタです。もしかしたら新聞記事に取り上げてもらえるかもしれません。

お金をかけなくても集客はできる

集客・広告にお金をかけられないと嘆く小規模事業者は多いと思いますが、お金をかけなくても自らの行動で広告に負けないくらいの効果的な集客施策を打つことができます。

まずは出来ることを一歩一歩やっていきましょう。

事業者間連携の事例はミラサポPLUSのページで紹介されています。

最後までお読みいただきありがとうございました。